- 1995年生まれのなかこまです
- 元製薬企業の研究開発員で薬剤師免許持ちです
- 「研究」は皆さんがいつもやっている
- 「素朴」とは自然のままに近い状態のもの
- 「素朴」なものでも研究はできる!
- 「素朴な研究」を通して研究の進め方を知ってほしい
- 自由研究などにも役立てていただきたい…!
初めまして。なかこまと申します。
1995年に富山県で生まれました。
2020年に大阪大学 薬学部 薬学科(当時)を卒業し、同年に薬剤師免許を取得しました。
大学では免疫学と製剤学をメインに研究し、卒業後は製薬会社の研究開発部の一員として過ごしました。
今はもう辞めてしまいましたが、研究を通して学んだ実験の進め方を多くの人に知ってもらいたい!…と思ってこのブログを開設いたしました。
「研究」は皆さんがいつもやっている
皆さんは「研究」というワードに対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?
- 難しそう…。
- 自分とは関係ない…。
そのようなイメージを持っておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
確かに薬の開発だったり、体の機能の解明だったり、私たちが普段関わることが少ない分野もあります。
でも、「研究」って私たちも普段やっているんです。
- この料理の甘みが足りない気がする
- 砂糖を加えてみよう!
- 甘くなった
- 砂糖を加えると甘くなることが分かったから、次回はこの量の砂糖を入れよう!
これも十分「研究」と言えるのではないでしょうか?
実際の論文と比べて「研究」とは何かを知る
論文の多くはタイトルや要約、まとめを除くと以下のような形で書かれています。
- 背景(background)
- 方法(method)
- 結果(result)
- 考察(discussion)
どうでしょう?
ちょっと分かりにくいのでもう少し詳しく書きます。
- 今までの状況から疑問を持つ。(背景)
- その疑問を解決するためにはどうすればいいかを考える。(方法)
- 実際にやってみてどうなったかを知る。(結果)
- 結果から分かること、次に生かしたいことなどを考える。(考察)
このように書いてみると皆さんがいつもやっていることも「研究」に当てはまるのではないでしょうか?
先ほどの料理の例に戻ります。
この例を「研究」の進め方に当てはめるとこうなります。
- この料理の甘みが足りない気がする(背景)
- 砂糖を加えてみよう!(方法)
- 甘くなった(結果)
- 砂糖を加えると甘くなることが分かったから、次回はこの量の砂糖を入れよう!(考察)
こう書いてみると「あ、私も『研究』しているわ~」と思っていただける方が多いかと思います。
普段皆さんが「難しそう」と感じておられる「研究」は「背景」や「方法」が身近じゃないだけで、「研究」自体は身近なことでできるのです。
「研究」を意識してするためには?
では「研究」を意識的にするためにはどうしたらいいのでしょうか?
私は「背景」を見つけること、「方法」を考えることができれば「研究」はできると思います。
その足掛かりとして「素朴」なものに目を向けてみてはいかがでしょうか?
「素朴」とは?
「素朴」という言葉は一度は聞いたことがあるのではないでしょうか…?
でも、意味を聞かれると
「はっきりとは分からないけど…」
と答えざるを得ない方が多いのではないかな、と思います。
実際、私もこのブログを立ち上げるまで「素朴」の詳しい意味を知りませんでした。
そこで「素朴」の意味を調べてみたところこのような意味があるそうです。
[名・形動]
1 自然のままに近く、あまり手の加えられていないこと。単純で発達していないこと。また、そのさま。「—な遊び」「—な漁法」「—な疑問」
2 人の性質・言動などが、素直で飾り気がないこと。また、そのさま。「—な人柄」
[派生]そぼくさ[名]
「自然のままに近く、あまり手の加えられていないこと」
これって身近なスーパーマーケットに並んでいる食材なんかが当てはまるのではないでしょうか?
それらを使った「研究」なら家でもお手軽に進められそうじゃないですか…?
では、実際に「研究」はどのように進めていけばいいのでしょうか?
「背景」を見つける
話は戻りますが、「背景」は「今の状況から疑問を持つ」ことでしたね。
…ということはまずは今の状況を知ることが必要になります。
先ほどの料理の例でいうところの「この料理の甘みが足りない」です。
そこから「この料理をもう少し甘くするにはどうすればいいか?」という疑問が生まれるわけですね。
「背景」はこんなことで十分なんです。
必要なのは疑問を感じられるように色々な物事に触れること。
それが読書であれ、遊びであれ、勉強であれなんだっていいのです。
色々な体験が「背景」を見つけることにつながります。
「方法」を考える
「背景」が見つかったら、次は「方法」です。
「方法」は「その疑問を解決するためにはどうすればいいかを考える」ことでしたね。
ここでも色々な体験が役に立ちます。
過去の似たような「背景」を解決したような体験から「方法」を作り出せばいいのです。
この体験は実際にやってみたことでもいいと思いますし、本や勉強などで知ったものでもいいと思います。
先ほどの料理の例に戻ります。
先ほどの例では「この料理の甘みが足りない」という今の状況から「この料理をもう少し甘くするにはどうすればいいか?」という疑問が生まれるという「背景」があったわけですね。
皆さんは甘みを加える時に砂糖を加える体験をしたことがあると思います。
それは同じように「これは甘さが足りない」という似たような「背景」があったから砂糖を加えたのではないでしょうか?
つまり似たような体験から「砂糖を加えてみよう!」という今回の「方法」を作り出したわけです。
このように「方法」を考えるにも「背景」を見つけるのと同じように色々な体験が必要…少なくてもあった方がいいと私は思っています。
このブログの目的
前置きがかなり長くなりました。
ここまでの文章で下に書いたようなことが分かっていただけたのではないかと思います。
- 「研究」は皆さんがいつもやっている
- 「素朴」は自然に近いもの
- 「素朴」なもので「研究」は身近にできる可能性がある
- 「背景」を見つけること、「方法」を考えることができれば「研究」はできる
- そのためには色々な体験があった方が有利
そこでこのブログでは「素朴」な材料を通して、私の「研究」の体験を皆さんに知ってもらい、皆さんの体験にしてもらおう!…ということを目的に記事を書いていこうと思います。
このブログから得られた体験が皆さんの「研究」をするお役に立てたら…そう思っております。
夏休みの課題でよく出される自由研究は、皆さんがした「研究」を紙にまとめたものなので、あわよくば自由研究も一緒に片づけちゃいましょう!(こんなこと言うと学校関係者に怒られそうですね)
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございました。
- 「研究」は「素朴」なものでできること
- 体験が「研究」の手助けになること
- このブログは私の体験をお伝えして皆さんの体験にしてもらうために開設したこと
この3つが上手く伝わってくれたらな…と思っています。
「研究」は決して遠く離れた世界のものではありません。
私の体験が少しでも皆さんの体験になって、「研究」のハードルが低くなってくれればいいな…そう思っています。