- コーンスターチなし、あり共につまようじを組み込んだ前回よりサイズの大きいラムネを作ることができた
- しかし、コーンスターチなしの方は型外れが悪く、整形に大きく時間がかかった
- ラムネをぬるま湯に投入したところ、コーンスターチなしの方はラムネが崩壊するまでの時間が長くなった
- ラムネの大きさを大きくした影響は見られなかった
「コーンスターチの崩壊剤としての役割」を素朴な材料で体験してみよう…という実験の結果です。
今回は前回考えた方法を基にラムネを作り、ぬるま湯に投入した上で崩壊するまでの時間を測定しました。
方法の詳細は前回の記事をご覧ください。
それでは結果に移りたいと思います。
ラムネは作ることができたけど…
まずはコーンスターチなしとありで、かつ前回より大きいサイズのラムネが作れるかどうかです。
後々、ぬるま湯にラムネを投入した時の崩壊するまでの時間の目印にしたいので、それぞれのラムネにつまようじも組み込みました。
ラムネのレシピ案は方法のページでも記載しましたが次の通りです。
コーンスターチありの大きいサイズのラムネ作り
まずは前回の実験である程度「作れるかもしれない…!」と予測ができているコーンスターチありの大きいサイズのラムネを作っていきましょう。
作り方は前回とほとんど変えず、最後の整形の際に使う計量スプーンの大きさだけを2倍の大きさにしました。
前回の「つまようじを組み込んだラムネ」を作っている様子はこちらの記事で紹介しております。
さて、サイズを大きくしたラムネは作ることができるのか…。
結果はこちらです。
無事に作ることができました…!
無事に作れることが確認できたので、ぬるま湯に投入する際に失敗した時のことも考えて念のため6個同じものを作りました。
余ったものはつまようじなしで整形して食べることにしましょう。笑
何はともあれサイズの変更によるラムネ作りへの影響はなさそうです。
コーンスターチなしのラムネ作り
次にコーンスターチなしのラムネ作りです。
コーンスターチ10 gを粉砂糖に置き換えてコーンスターチなしのラムネを作っていきたいと思います。
サイズは先ほどのコーンスターチありのラムネと同じものを作ります。
では、さっそく粉砂糖を量り取ってクエン酸、レモン汁、水を加えて混ぜて…としているとちょっとした異変に気付きました。
塊が多い。
確かにコーンスターチありの時もレモン汁や水を加えると少し塊にはなっていたのですが、スプーンの背でつぶしながら混ぜていくと塊が小さくなり「こんなものでいいかな」と思える程度にはなりました。
ただ、コーンスターチを入れないと明らかに塊が大きく、多いです。
「しばらく混ぜていたらなくなるかもしれない」と思い混ぜ続けていたのですが、一向になくなる気配がないので諦めました。
…というわけで次に重曹を加えてかき混ぜていきます。
ここでの様子もこんな感じ。
やっぱり塊が多い。
塊が多いこと以外に特に変化は見られなかったものの、重曹を加えても塊の多さは変わりませんでした。
混ぜ続けても一向に塊が減る気配もないので、こちらも諦めて整形に入ります。
コーンスターチありの時と同じように2つの計量スプーンで多めに粉を挟み、つまようじを間に入れた上でギュッと固める…ここまでは変わりなし!
では型からラムネを外そうとしたところ…。
真っ二つに割れました。
え、まじか…。
何となく混ぜて塊になりやすかったことから「くっつきやすいのかな~」とは思っていたものの、型から外れず計量スプーンの境目で真っ二つになるとは思ってもいませんでした…。
でも、ここまできて諦めるというのもちょっとやりきれなさが残る…。
しばらく試行錯誤を続けてみました。
そうするとようやく1つ上手くいったものが…!
「何とかやれるかもしれない…!」と思いラムネの整形を続けてみた結果がこちらです。
つまようじを組み込んだラムネを5つ作ることができました。
ここまで整形だけで1時間超…。
本当は6つ作りたかったのですが、あまりに根気と時間がかかる作業だったので諦めました。
正直もうやりたくありません。笑
ただ、コーンスターチなしで、かつつまようじを組み込んだラムネを何度も整形してみてコツみたいなものはありました。
- 多めの粉を2つの計量スプーンで挟み込む(圧縮はまだしない)
- つまようじを間に入れる
- ギュッと圧縮する
- 計量スプーンの1つを慎重に外す(ここで崩れてしまった場合は悲しみながらやり直す)
- 残った計量スプーンとラムネの間にスプーンを慎重に入れる
- スプーンを使って計量スプーンからラムネをはぎ取るように丁寧に出す
このような手順で成功率が上がりました。
多少スプーンの跡が残ってしまうこともありますが、あまり影響はでなさそうな感じがしますし、何よりまずはコーンスターチなしのラムネを作ることが最優先なので今回はこれでよしとします。
1日乾燥させる
コーンスターチなし、ありのラムネ共に1日自然乾燥させました。
その結果はこのような感じです。
緑の皿がコーンスターチなし、白の皿がありです。
触ってみたところどちらも無事に固まっており、何とかラムネは作ることができました。
ラムネをぬるま湯に投入する
ラムネができたところでいよいよ醍醐味である「ぬるま湯への投入」をやっていきます。
ぬるま湯を37.6℃に調製し、作ったラムネを放り込んでつまようじが浮かんでくるまでの時間を計り、その後のぬるま湯の温度も念のため測っておく…。
この操作をコーンスターチなしで3回、ありでも3回、合わせて6回行いました。
幸いにも今回の実験中には失敗したものはありませんでした。
温度も36.4℃~37.6℃の範囲に全て収まっていました。
コーンスターチの有無での結果
コーンスターチの有無それぞれのラムネが崩壊するまでの時間はこのような感じ。
茶色がコーンスターチなし、緑がありです。
Fig. 1は計測した3回の時間をそのまま●で示したもの、Fig. 2はそれらの結果から平均値と標準偏差を表したものです。
Fig. 1では●が重なっているところがあるので一見●が2つしかないように見えますが、実は3つあります。
方法のページでも記載しましたがFig. 2ではコーンスターチなしとありの場合とで崩壊までの時間に統計的な差があるかどうかも見ており、その結果、統計的にも差があることが分かりました。
このことから統計的にもコーンスターチなしの方が崩壊にかかる時間が長かったという結果になりました。
ラムネの大きさによる結果
次にコーンスターチありのラムネを使った大きさによる崩壊までの時間の結果です。
小さいサイズのラムネ(ラムネの体積2.5 mL)の結果は前回の結果をベースにしています。
詳細はこちらの記事をご覧ください。
前回のサイズと今回のサイズ(ラムネの体積5.0 mL)の結果を比較したところFig. 3~Fig. 5のようになりました。
黄緑が前回のサイズ、濃い緑が今回のサイズです。
Fig. 3は計測した3回の時間をそのまま●で示したもの、Fig. 4はそれらの結果から平均値と標準偏差を表したもの、Fig. 5は平均値と標準偏差から相対標準偏差を求めたものです。
今回、Fig. 4でもラムネのサイズによって崩壊時間の差があるかどうかを統計的に確認しましたが、差は見られませんでした。
このことから今回のサイズ変更による崩壊までの時間の変化は確認されませんでした。
まとめ
いかがだったでしょうか?
正直ラムネ作りであんなに苦労するとは思いませんでしたが、何とか結果を出せて安心しております。
次回はこの結果から私の考えを考察としてまとめていきたいと思います。