- コーンスターチなしのラムネとありのラムネをつまようじを組み込んで作る
- ラムネの大きさを前回の2倍にする
- ぬるま湯に投入し、つまようじが浮かび上がるまでの時間を計測する
- コーンスターチが入っているかによる違いはどうか、また、大きさによる違いはどうかを比較する
前回の記事で、コーンスターチの有無によってラムネの崩壊性が変わるかどうか、大きさを変えるとばらつきの程度が小さくなるかどうかを今回の実験で確かめてみよう!…という実験背景を紹介させていただきました。
今回はこの2つの疑問を解決するための方法を考えていきたいと思います。
今回の実験で作るラムネのレシピ案
今回の実験ではコーンスターチがラムネの崩壊性に与える影響を体験してみたいと思っています。
「そんなこと言っても、コーンスターチの影響を調べるにはどうすればいいの…」
難しいのは方法を考えることですよね。
私がよく用いてきた方法の1つとして、影響を調べたい物質がない時とある時の変化を比較してみる…ということがあります。
「え?どういうこと?」
…ということで臨床試験にも用いられる比較対象試験を例に記載させていただきます。
例えばですが、ある痛み止めの効果があるかもしれない物質Aが「本当に効果があるのか?」ということを調べてみたいとします。
片方の患者さんたちには痛み止め物質Aが含んだ薬を、もう片方の患者さんたちには痛み止め物質Aを含まない薬を服用してもらいます。
しばらくした後、この2つの患者さんのグループを比較してみてどちらがどれくらい痛みが治まっているかを比較することで痛み止め物質Aの効果を検証します。
実際の臨床試験では倫理的な問題とか患者さんの問題とか色々な問題があるのですが、簡単な例を挙げてみるとこんな感じです。
要するにこれがなくなったらどうなるの?を意図的に作って比較してみる感じです。
今回はコーンスターチが崩壊性に与える影響を調べていきたいので、コーンスターチが含まれていないラムネと含まれているラムネを作って崩壊性を比較してみましょう!
…というわけで考えたレシピ案がこちらです。
コーンスターチを含まない方は、量の差を小さくするため粉砂糖を10 gプラスしました。
また、今回はラムネの大きさによる変化も確かめてみたい!…ということで今まで使っていた型も変えたいと思います。
以前ラムネの型にするために買った計量スプーンは6種類のサイズが1セットになっていたので、今回は前回の実験で用いたサイズの2倍の大きさの型を使っていきたいと思います。
というわけで今回使うのは画像の左の計量スプーンです。
右側のが今まで使っていた計量スプーンです。
計量スプーンで測れる体積が1.25 mLから2.5 mLになっています。
ラムネを作る時は同じ大きさの計量スプーンを2つ合わせるのでラムネの体積は2.5 mLから5.0 mLになるということですね!
このような形でラムネは作っていきたいと思います。
ラムネをぬるま湯に投入する
ラムネができたらぬるま湯にラムネを投入していきたいと思います。
ラムネを投入する前のぬるま湯の温度は37.6℃にしました。
この温度は私が設定している口の中の温度の範囲を真似した設定値です。
温度設定の理由の詳細はこちらの記事をご覧ください。
温度37.6℃に調製したぬるま湯の中につまようじを組み込んだラムネを入れていきます!
つまようじが浮かび上がるまでの時間を分析する
つまようじを組み込んだラムネをぬるま湯に投入してしばらく待つと、つまようじが水面に浮かび上がってくる…はずです!
前回の実験ではつまようじが浮かんできたので今回も同じようにいくのでは…と考えています。
「つまようじが浮かんできたよー」という前回の実験の結果はこちらの記事をご覧ください。
ただ、今回の実験では前回と変わっているところが2つあります。
- コーンスターチの有無
- ラムネの大きさ
この2つですね。
ラムネの大きさが変わってもつまようじは浮いてくるんじゃないかな?…と考えていますが、コーンスターチをなくしたことによる変化は何とも言えないな…と思っています。
まぁ、やってみましょう。笑
コーンスターチを入れていないラムネ、入れているラムネそれぞれで3回ずつ実験し、つまようじが浮かび上がってくるまでの時間を測定します。
3回実験する…というのは結果がどれくらいばらつくかを判断するために設定した回数です。
もちろん3回以上実験した方がより正確な結果が出るのですが、今回はコーンスターチなしのラムネで行う初回の実験であり、何となくの傾向をつかみたいなと思っているので、ばらつきを出すための最小の回数である3回にしました。
測定した3回の時間から、コーンスターチなし、ありそれぞれで平均値、標準偏差を求めます。
…ちなみに一応書いてはおこうと思うのですが、今回はコーンスターチの有無の差を統計的にも差があるか見たいなと考えています。
実験の結果が正規分布になることを仮定し対応のない2標本のt検定でp<0.05の時に有意差ありと判断する…ということにしますが、正直ここまでやるかどうかは完全に個人の自由ですし、不必要なら無視してください。
統計的に差があるかだけではなくて、その差が意味があるものかどうかを自分で判断することも大事なので、総合的にみることが重要だと私は思っています。
また、前回の結果からラムネの大きさによる崩壊までの時間の差も結果として出したいと思っているので、前回の結果と今回のコーンスターチありの結果の差も見てみたいと思います。
こちらも平均値、標準偏差、相対標準偏差を出していきたいと思います。
今回の方法としてはこのようなところでしょうか…?
まとめ
いかがでしたか?
ようやくコーンスターチの崩壊性に与える影響を素朴な材料で突き止めることができそうですね!
- 前回より大きいつまようじを組み込んだコーンスターチなし、ありのラムネをそれぞれ作る
- ぬるま湯に投入し、崩壊までの時間を計る
- 結果を分析する
このような形で進めていきたいと思います!