- つまようじを組み込んだラムネをぬるま湯に投入して崩壊性を身近に感じられるような実験系の確立を目指す
- つまようじを組み込んだラムネをぬるま湯に投入し、崩壊するまでの時間を計測する
- 水面につまようじが現れ、ラムネが崩壊するまでの平均時間、標準偏差、相対標準偏差を算出することができた
- 今回の方法は実験系として有用であると考えられるが、ばらつきの程度を小さくするための工夫が場合によっては必要
つまようじを組み込んだラムネをぬるま湯に投入して崩壊性を見ることで、コーンスターチの崩壊剤としての役割を感じてみよう…のまとめです。
今までの背景、方法、結果、考察の項目を1つの記事にまとめてみました。
まとめでは概略だけを記載していきますので、詳しくはそれぞれのページをご覧ください。
逆に、大まかな内容だけ知りたい!ということであれば今回のページだけで十分です。
それではまとめていきたいと思います。
背景
前回の実験で、コーンスターチを用いて作ったラムネを使って崩壊剤としての役割を素朴な距離感で感じる時にはラムネが崩壊したことを分かりやすくするための工夫が必要だと分かりました。
そこで今回はラムネにつまようじを組み込み、ラムネをぬるま湯に投入した後つまようじが水面に現れるまでの時間を計測することによってラムネの崩壊を可視化できないかと考えました。
ここではラムネにつまようじを組み込むことで崩壊性を身近に体験することが可能かどうかを検証することにします。
方法
以下の手順でつまようじを組み込んだラムネを作製します。
作製したラムネを初期温度37.6℃に調製したぬるま湯150 mLに投入し、ラムネを投入してからつまようじが水面に現れるまでの時間を計測します。
本操作を3回行い、3回の時間の平均値、標準偏差、相対標準偏差を求めます。
なお、ラムネを投入する直前、及びつまようじが現れた直後のぬるま湯の温度を測定し、実験中のぬるま湯の温度としました。
結果
つまようじを組み込んだラムネを作製することができました。
作製したラムネを150 mLのぬるま湯に投入したところ数十秒後に水面につまようじが現れたため、ラムネを投入してからつまようじが現れるまでの時間を計測しました。
この操作を3回繰り返したところ、結果はFig. 1~Fig. 3のようになりました。
緑は前回の実験、茶色は今回の実験の結果を示しています。
Fig. 1は測定した3回の時間をそれぞれ●で示したもの、Fig. 2は3回の結果から平均値±標準偏差を示したもの、Fig. 3は相対標準偏差を示したものです。
考察
相対標準偏差の比較からつまようじを組み込んだことによる実験系の数値的な精度の上昇は確認されませんでした。
しかし、ラムネが崩壊した基準が「つまようじが水面に現れること」という形で明確に目視で分かることはラムネ崩壊性評価の主観性を減らすことができると考えています。
また、実験時間の短縮から、より効率的な実験が可能になったと言えます。
以上のことから、状況に応じてばらつきの程度を小さくする工夫が必要になるものの、今回の方法は崩壊性を素朴な材料で感じる実験系としては有用なものになりうると私は考えています。
ばらつきの程度を小さくする工夫としては操作回数を増やす、ラムネの大きさを大きくして崩壊までの時間を長くすることが考えられます。
なお、ぬるま湯の温度については今回の実験では前回よりも下回ったものがあったが、別ページに記載した補足実験から無視できる程度の影響であると考えています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
つまようじをラムネに組み込むことは実験の目的によっては工夫が必要になるけど使える…!と私は判断しております。
これを踏まえてさらに崩壊性の素朴な研究を深めていきたいと思います。