- コーンスターチを使ったラムネをぬるま湯に溶かして崩壊性を確認する場合、溶けたことが分かりやすくなるような工夫が必要
- その工夫をして再度ラムネをぬるま湯に溶かすという実験方法の確立を目指す
前回、コーンスターチを材料として使ったラムネをぬるま湯に溶かして、溶けるかどうかどうかを目視で確認することで崩壊性を身近に感じてみよう!…ということを実験しました。
その実験の考察からラムネをぬるま湯に溶かすという実験方法を採用する場合、何かラムネが溶けたことを分かりやすくする工夫が必要だということが分かりました。
詳細はこちらにまとめております。
この「背景」のページではその溶けたことを分かりやすくする工夫を考えていきたいと思います。
溶けたことを分かりやすくする工夫
…と簡単に口では言っても、溶けたことを分かりやすくする工夫ってどうすればいいんでしょう?
私が考えた工夫は3つです。
- ラムネが溶けるとラムネから「溶けましたよ~」という目印が目に見える形で出てくる
- ラムネが溶けるとぬるま湯の色が変わるようにする
- ぬるま湯を入れている入れ物を変えて外から観察しやすくする
①についてはラムネの中に何か水に浮くものを入れておけば、「ラムネが分解する」→「中に入れた水に浮くものが水面に浮いてくる」という流れになるのではないか…という考えから出てきた工夫です。
②について、化学の分析においては指示薬が使われることがあります。
1番私たちの身近にあった指示薬はヨウ素液でしょうか…?
ヨウ素液はデンプンがあると青紫色に変わります。
このように「あるもの」によって色が変化し、目で見てその目的とする「あるもの」があるかどうかをパッと見て分かるようにするものが指示薬です。
今回の場合、ラムネが溶けたことによって出てくる何かによってぬるま湯の色を変えることができないか…という考えから出た工夫が②です。
③はイメージしやすいかと思います。
入れ物をマグカップから透明なものに変えてあげれば、底にラムネが沈んでしまっても外から観察しやすくなりますね。
さて、どの工夫が1番取り入れやすいか…。
私が今回考えているのは①です。
今回①を選ぶ理由
私が①を選んだ理由は一言で言うと消去法です。
要するに②も③もいい案が思いつかないから①にしよう!…ってことですね。笑
なので、もし②や③の方法でいい工夫が思いついた方、あるいはこの3つ以外にいい工夫が思いついた方はそちらで試していただければ「その方がいい!」と私は思っています。
研究は本来、自分の興味や疑問を掘り下げるものです。
私とやり方が違うからという理由でその工夫を施すのをやめるのではなく、実際にやってみていただき、もし上手くいかなかったらなぜ上手くいかなかったのかを考えてみる…という取り組み方が研究においては大事だと私は思っています。
かと言って、すべてを自分で考えないといけないか…というわけではなく、真似でもいいから実際にやってみたという経験が自分の興味や疑問を掘り下げるのに役立つので、何も思いつかなくても悲観せずとにかくハードルを低くして真似してやってみていただければ!…と私は思っています。
話がそれました。
では、②と③でいい案が思いつかなかった理由についてです。
②でいい案が思いつかなかった理由
②が思いつかなかった理由としては、こちらもやはり身近で指示薬となるものが思いつかなかったからです。
身近なもので状況によって色が変化するものは、紫キャベツであったり、バタフライピーの紅茶であったりいくつか思い浮かびます。
ただし、私にはラムネが溶けることによってぬるま湯にどのような変化を起こすことができるかを思いつけませんでした…。
ラムネが溶けて何が変化するかが分からないので、それに伴う指示薬も思いつかなかった…。
これが私が②の工夫を採用しなかった理由です。
③でいい案が思いつかなかった理由
③に関しては先述した通り「ぬるま湯を入れる入れ物を透明なものに変えればいいじゃん!」という分かりやすそうな答えがありました。
ただ、私には懸念事項が2つあります。
1つ目が底に沈んでしまったラムネを観察するためには入れ物を持ち上げなければいけないことです。
これは私のイメージでしかないのですが、ラムネをぬるま湯で溶かそうと思った際に、そのまま置いておくのとスプーンでぬるま湯をかき混ぜてあげるのとでは、スプーンを使った方が溶けるのが早そうじゃないですか…?
このように衝撃によってラムネの崩れやすさが変わってしまうのではないか…と私は思っています。
底に沈んでしまったラムネを観察するためにはやはり入れ物を持ち上げる必要があると私は考えています。
そして入れ物を持ち上げるということは少なからずラムネに衝撃を与えてしまいます。
そしてその衝撃の大きさは私たちには制御することができません。
なので、入れ物を持ち上げることによって起こる衝撃の影響がどの程度のものか予測できない…というのが1つ目の懸念事項です。
2つ目の懸念事項は入れ物を透明にしたところで溶けているラムネが観察できるか分からないということです。
前の実験の結果で書かせていただいた通り、ラムネをぬるま湯に溶かすとぬるま湯が白く濁ってしまいました。
なので、入れ物を透明にしても、ぬるま湯が濁ってしまって外からラムネの様子を観察しづらくなってしまうのではのでは…というのが2つ目の懸念事項です。
この2つの懸念事項に対する解決策を私は思いつきませんでした。
なので③の工夫も今回は採用しないことにしました。
ラムネが溶けると出てくる目印
以上の理由から「①ラムネが溶けるとラムネから『溶けましたよ~』という目印が目に見える形で出てくる」という案の方法を今回は考えます。
まずは目印としてこのような条件が必要だと私は考えています。
- ラムネから出てきた後に水面に浮くこと
- ラムネを作る際にラムネに入れやすいこと
- 食品に使っても問題ないものであること
ラムネから出てきてもそれが水面に出てきて「溶けましたよ~」という目印になってくれなくては始まりません。
そして、ラムネを作る時にどのラムネにも同じような形でラムネの中に組み込むことができることが、作りやすさの面からしても目印が出てくるまでの時間のばらつきをなくすという面からしても理想です。
そして、私は作ったラムネを最終的には食べたいので、食品に使っても影響のない目印であることが理想です。
これらの条件を満たす目印はないか…と私が考えたところ思いついたのがつまようじです。
目印としてつまようじを使う
まずはつまようじが水に浮くかです。
実際につまようじを水に浮かべてみたところ、浮くことが分かりました。
なので、ラムネに組み込んだ後もラムネが崩壊すればつまようじが水面に出て来てくれる可能性がありそうです。
ラムネを作る際に組み込みやすいか…についてはラムネの形を球体に整えた後で団子のように串刺しにしてみては?と考えています。
もしかしたらラムネが崩れて上手く刺さらないかもしれませんが、できる可能性はありそうじゃないですか?
というわけでやってみたいと思います。
最後の食品に使っても問題ないものであるかどうかは「大丈夫だろう」と私は思っています。
とがっているのでそこだけは気をつけないといけませんが、飲食店でもよくテーブルに置かれていますし、料理にも使うことがあるので問題ないかと思います。
というわけで、ラムネが溶けた目印として今回はつまようじを使いたいと思います。
まとめ
いかがでしょうか…?
今回の実験の背景のまとめはこんな感じです。
- ラムネを使って崩壊性を体験する場合、崩壊したことが分かりやすくなる工夫が必要
- その工夫としてラムネが崩壊するとつまようじが水面に出てくる…というのはどうかと考えた
- その方法で崩壊性を本当に体験できるかを検証する
それでは次回で具体的な方法を考えていきたいと思います。