- 今回のラムネのレシピ案は応用することができそう
- 今回の方法ではラムネが溶けたかどうかが分かりにくい
- ラムネをぬるま湯に溶かして実験するときは溶けたことが分かりやすくなるような工夫が必要
- 今回の大きさのラムネでは、ラムネを溶かしている途中のぬるま湯の温度はそれほど考える必要がない
いよいよラムネをぬるま湯に溶かして崩壊性を素朴な材料で感じてみる研究の考察です。
ラムネが作れたかどうかは「結果・前編」を、ラムネをぬるま湯に溶かしてみたときの様子の詳細は「結果・後編」をご覧ください。
この「考察」のページでも簡単に最終結果には触れさせていただくので、概要だけ把握されたい方はこちらのページだけで大丈夫です!
それでは結果を基に考察に入っていきましょう!
今回のラムネのレシピ案は応用することができそう
まずは「方法」のページで考えたレシピ案を基にラムネが作れるかどうかです。
「結果・前編」でも記載させていただいた通り、今回のレシピ案でラムネを作ることができました。
なので、今回のレシピを基に少しずつ材料を変えていくことで、色々な研究に今回のレシピ案のラムネが応用できそうです。
ちなみに今回、実験で使う以上にラムネができてしまったので少し食べてしまいましたが程よい甘みと酸味が効いていて美味しかったです。
口の中でもラムネが崩れていくのが感じられました。
ただ、口の中でのラムネの崩れやすさがものによって違うことがあった気がします。
なので、ラムネを作るときにできる限り型に粉を押し込んでギュッとした方がラムネが溶けるまでの時間をできる限りそろえることができそうです。
これに関して私は次に記載させていただく「ラムネが溶けたかどうかが分かりにくい」という方が問題だと思っているので、この考察はここまでにしたいと思います。
ラムネが溶けたかどうかが分かりにくい
今回の実験を通してみて私が「1番問題だな~」と感じたのがこれです。
私の予想ではラムネをぬるま湯に入れると、ラムネがぬるま湯に浮かんで5分くらいかけてゆっくりと溶けていくだろうということでした。
ラムネが浮いている状態であれば溶けたかどうか判断がしやすいと思っていたのですが、実際はラムネは沈んでいき、しかもぬるま湯が白く濁ってラムネの姿が見えなくなってしまいました。
ラムネが溶ける際に炭酸水のように細かい泡が出てくるので、「何となく今溶けているんだろうな~」というのは分かりましたが、直接ラムネが溶けている様子は確認できませんでした。
…というわけで、今回泡が出てこなくなったと私が判断した時までの時間を間接的にラムネが溶けるまでの時間として結果にまとめさせていただきました。
その結果が「結果・後編」のページでも載せさせていただいたこちらです。
Fig. 1を見てもらえるとわかる通り、3回実験を行いラムネが溶けるまでの時間が最も長かったものと最も短かったものの差が約200秒(3分と少し)ありました。
これは先ほど記載させていただきました通りラムネの作り方の問題もあるかと思いますが、ラムネが溶けたかどうかを目で直接判断できず、出てくる泡でラムネが溶けたかどうかを判断するしかなかったことが1番原因として大きいと考えています。
泡が出なくなったという基準として今回は「水面に泡が出てこなくなってから5秒経つ」ということを基準としました。
しかし、泡が出てこなくなったという判断をした後でも少し泡が出てくることはありましたし、少しの振動でも泡の出方が激しくなることがありました。
要するに「泡が出てこなくなった」という判断をするのが非常に難しく、どうしても自分の主観が入ってしまいます。
私が3回同じ実験を行っても「泡が出終わったタイミングを同じように判断することができなかった気がする…」と感じているので、ラムネが溶けたかどうかの評価の方法として泡の出方を使うのは難しいと感じました。
ちなみに3回の実験を行って、ラムネが溶け終わるまでの平均値と標準偏差、相対標準偏差を求めたものがFig. 2です。
平均値は文字通り3回の実験で得られたラムネが溶け終わるまでの時間をすべて足し、3で割って(今回は3回実験をしたので3で割って)求めました。
標準偏差はよくばらつきと言われるもので、同じ実験をたくさん行ったときにどれくらいその結果がばらつくかを3つ以上の結果から推測するのに必要なものです。
(ただし例外はあって、3回実験して3回だけの実験のばらつきを求めたいときは別の計算式を使う必要があります)
相対標準偏差はばらつきの度合いを比較したいときに用いることが多い値で、標準偏差÷平均値×100で表されます。
分かりにくいと思うので例を挙げてみましょう。
Fig. 3は私が適当に作ったグラフで、■がそれぞれの平均値、誤差バーが標準偏差の大きさを示しています。
それでは質問です。
Fig. 3の1と2のグラフ。どちらのデータがよりばらついていると言えるでしょうか?
グラフを見るからに2の方がばらつきの度合いが大きいように見えませんか?
私は直感的に2の棒グラフの方がばらつきの度合いが大きそうに見えます。
では、1、2それぞれの平均値、標準偏差の値から相対標準偏差を計算してみましょう。
その結果がこちらです。
いかがでしょうか?
確かにFig. 3から分かる通り2の方が平均値も標準偏差も大きいです。
ただ、茶色で示した相対標準偏差はどちらも50となっています。
このことからばらつきの度合いは1も2も同じ、すなわちばらつきを比較するとばらつき具合は1も2も一緒ということが言えます。
平均値が大きくなってしまうとそれに伴って標準偏差も大きくなってしまうので、ばらつきの度合いを比較するときは平均値に合わせて評価を変えてあげる必要があるようです。
…話を元に戻します。
ラムネをぬるま湯に3回溶かしてみて、溶けるまでの時間から求めた平均値と標準偏差から求めたのがFig. 2に示してある33.9%です。
この値が大きいかどうかは何とも言えませんが、少なくてもラムネをぬるま湯に溶けたかどうかを別の方法で判断した時に、相対標準偏差が33.9%より小さくなっていればその新しい方法は今回よりも正確な結果が出せていると言えそうです。
溶けたことが分かるようにするにはどうしたらいいか
では、どうしたら相対標準偏差を小さく…すなわち実験の結果をより正確に出せるでしょうか?
今回の方法では「ラムネが溶け終わったかどうかが分かりにくい」ということが問題になりました。
ではこれを解決するためにはどうしたらいいでしょう?
私の考えは2つです。
- ぬるま湯の入れ物をマグカップから透明な入れ物に変えて少しでも観察しやすくする
- ラムネが溶け終わったタイミングで何かしら分かりやすい変化が起きるようにする
いずれにしても溶けたことが分かりやすいように何らかの工夫をする…ということです。
方法は後々考えていくことにしましょう。
ラムネを溶かしている最中の温度の変化について
最後にラムネを溶かしている間のぬるま湯の温度についても触れておきます。
今回は口の中の温度に近くするため、ぬるま湯の温度を36.4℃~37.6℃の間に収まるようにすることを目標にしていました。
今回3回ともラムネを溶かす前の温度、溶かした後の温度を測りましたが、すべて36.4℃~37.6℃の間に収まっていました。
なので、今回とラムネが溶けるまでの時間、及びラムネの材料が大きく変わらない限りは口の中の温度と近い温度で実験することができそうです。
まとめ
今回は「コーンスターチを使って作ったラムネをぬるま湯に溶かしたら崩壊性を素朴な材料で体験できないか」というテーマの基、研究を進めてきました。
結果から、
- 今回のラムネのレシピ案を用いて崩壊性を確認することができる可能性がありそう
- その場合、ラムネが溶けたかどうかを分かりやすくするために何らかの工夫が必要
…ということが考えらえました。
これらの考察を基に次回の研究計画を立てていきたいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました!